イアマス滞在記

日常に”/”を投じよう

イアマス滞在記:4月

速いのか、遅いのか、よくわからないうちに1ヶ月が経ちました。僕は元気です。というわけで、IAMASに入学してから1ヶ月で何があったかをざっくりと振り返りたいと思います。僕のブログは読者をあまり想定していなくて、自分が2年後に「あぁこんなこともあったな」・「もっとこうすればよかったな」と懐かしみ、後悔するための材料です。(でもIAMAS志望の方の目にもとまってほしいなとほんのすこし思っています)

 

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入学式

入学式では三輪学長がIAMASにおけるアートの意味を中心にお話をしていました。僕の心に残ったのは「IAMASは失敗が許された『小さな宇宙』である」ということと、「先端技術が加速度的に発展を続ける中で、『自然と人間と機械』が共存するために求められている様々な表現が『アート』である」ということです。僕は人間と機械(テクノロジー)との共存について考えたことはありましたが、それらと「自然」については考えたことがありませんでした。確かに人間は科学技術の中で生きていますが、依然として「自然の中で」生きています。機械と人間との関係を考えるだけでは人間は幸せにはなれないのかもしれません。これから生まれてくる人たち、既に生まれてきた人たちが「自然の中で」豊かに暮らせる世界とそこにたどり着くまでの道筋をIAMASの2年間で模索していきたいと思いました。

www.iamas.ac.jp

 

 

 

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モチーフワーク

最初の1週間はパソコン整備やらロフト整備やらの事務的作業で終わりました。IAMAS初の授業はこの「モチーフワーク」でした。今年は受験者数も合格者数も多かったようで、M1には23人の仲間がいます。彼らがいままで何をやってきた人たちで、IAMASで何をやるのか、それをお互いに理解しあうのがモチーフワークの目的で、具体的には1週間かけて自己紹介をしました。1人1畳ほどの壁を与えられて、そこに自由に自分を紹介するものを構築していきます。僕はとりあえず紙にレイアウト書いて、最後にズバっと貼ろうと思ったんですけど、それは間違ったやり方でした。IAMASではアウトプットされた「結果」だけではなく、そこに至った「過程」も含めて「作品」と呼ばれます。壁に何かをアタッチして、それを剥がす、再構築することもまた「作品」の一部なのです。月曜日と火曜日に壁を作り、水曜日に先生にプレプレゼンをし、木曜日に壁を作り直し、金曜日に最終プレゼンテーションをしました。僕は実際のところ、やりたいことが明確に決まっていたわけではなく、ただ自分の制作を延長したかっただけなので、それとなく喋りました。周りを見ていると、水曜日までは自分の手の届く範囲にしかなかったポストイットが、金曜日には自分の身長を超えて成長していく様子がとても興味深かったです。みんな壁を超えたんやな。

 

 

 

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メディア表現基礎

モチーフワークにつづいてメディア表現基礎が始まります。これが本当にキツかった。展覧会エンジニアの金築浩史さんと西野隆史さんに展覧会におけるプロジェクターの設置の方法を教えていただき、その後にプロジェクターを用いた作品をグループに分かれて制作するという授業です。この授業の1番キツイところ、それは「時間」、そう時間。「プランニング→プロトタイプ作成→作品制作→展示」をわずか4日間で行わなければなりません。時間もないし、プロトは静止画でいいだろ、と甘えたら金築さんに「こんなのプロトタイプじゃない。完成図が見えない。」と厳しく怒られました。僕のチームは僕発案のコンセプトで作品を作っていて、発案者としての「意地」もあったので、その日の夜に完徹して作品を作りました。正直なところ、最後まで授業の意図はイマイチわからなかった(プロジェクターの設置方法や展覧会の設営方法を学ぶ授業で、ここまで作品の新規性や作品としての質を計られる必要があったのか)ですが、作品制作の「根性」の一端を垣間見ることができました。作った作品を一応紹介します。

  

ーこえて (beyond -) 

2018年

Installation | Projectors, Unity

現実か、仮想か。

プロジェクターを用いて、映像の枠の中にある存在を、現実の世界で知覚することを試みた。球は影と音となって画面から飛び出す。私たちは違和感を感じつつも、そこに存在しない球の「存在感」を次第に感じ始める。映像と現実が混ざりあった世界のリアリティとはなんなのか。現実と仮想の領域を行き来しながら、両者の境界を模索することに本作の目的がある。

 

  @Listening

夢の中で

夢の中で

  • provided courtesy of iTunes

 Corneliusの『夢の中で』という曲です。MVがとてもおもしろくて、アニメーションなんですけど、独特の”浮遊感”を感じます。アニメーションなのにフレームレートが高いってのはコンピューターを用いたアニメの特徴なのかなと思いますが、これが作品の浮遊感に影響しているような気がするんだよな…もう少しリサーチしてみます。