イアマス滞在記

日常に”/”を投じよう

ひかりのはなし

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僕はカメラが好きです。

「この写真の、ここの構図が・・・」みたいな小難しいことはおいておいて、視界にフレームを当てて切り取る写真の性質が好きです。

大学に入ってすぐに一眼を買いました。兄に勧められて、SONYのα7sを買いました。レンズは調子にのって、Carl Zeissのオールドレンズを買いました。電子ビューファインダーは非常にお利口さんでファインダーに映る世界がそのまま写真になります。僕は大学での4年間、ずっとこのカメラで写真を撮ってました。

IAMASに入って、EOS 5Dを使いました。全然使えませんでした。なぜなら5Dは光学ファインダーだからです。悔しいです。僕が未熟なばっかりにせっかく見つけた一瞬の世界を切り取れないことが。今日は100枚ぐらい切り取りました。そのうちちゃんと写ってたのは2枚。98枚の失敗作。

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イアマス滞在記:4月

速いのか、遅いのか、よくわからないうちに1ヶ月が経ちました。僕は元気です。というわけで、IAMASに入学してから1ヶ月で何があったかをざっくりと振り返りたいと思います。僕のブログは読者をあまり想定していなくて、自分が2年後に「あぁこんなこともあったな」・「もっとこうすればよかったな」と懐かしみ、後悔するための材料です。(でもIAMAS志望の方の目にもとまってほしいなとほんのすこし思っています)

 

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入学式

入学式では三輪学長がIAMASにおけるアートの意味を中心にお話をしていました。僕の心に残ったのは「IAMASは失敗が許された『小さな宇宙』である」ということと、「先端技術が加速度的に発展を続ける中で、『自然と人間と機械』が共存するために求められている様々な表現が『アート』である」ということです。僕は人間と機械(テクノロジー)との共存について考えたことはありましたが、それらと「自然」については考えたことがありませんでした。確かに人間は科学技術の中で生きていますが、依然として「自然の中で」生きています。機械と人間との関係を考えるだけでは人間は幸せにはなれないのかもしれません。これから生まれてくる人たち、既に生まれてきた人たちが「自然の中で」豊かに暮らせる世界とそこにたどり着くまでの道筋をIAMASの2年間で模索していきたいと思いました。

www.iamas.ac.jp

 

 

 

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モチーフワーク

最初の1週間はパソコン整備やらロフト整備やらの事務的作業で終わりました。IAMAS初の授業はこの「モチーフワーク」でした。今年は受験者数も合格者数も多かったようで、M1には23人の仲間がいます。彼らがいままで何をやってきた人たちで、IAMASで何をやるのか、それをお互いに理解しあうのがモチーフワークの目的で、具体的には1週間かけて自己紹介をしました。1人1畳ほどの壁を与えられて、そこに自由に自分を紹介するものを構築していきます。僕はとりあえず紙にレイアウト書いて、最後にズバっと貼ろうと思ったんですけど、それは間違ったやり方でした。IAMASではアウトプットされた「結果」だけではなく、そこに至った「過程」も含めて「作品」と呼ばれます。壁に何かをアタッチして、それを剥がす、再構築することもまた「作品」の一部なのです。月曜日と火曜日に壁を作り、水曜日に先生にプレプレゼンをし、木曜日に壁を作り直し、金曜日に最終プレゼンテーションをしました。僕は実際のところ、やりたいことが明確に決まっていたわけではなく、ただ自分の制作を延長したかっただけなので、それとなく喋りました。周りを見ていると、水曜日までは自分の手の届く範囲にしかなかったポストイットが、金曜日には自分の身長を超えて成長していく様子がとても興味深かったです。みんな壁を超えたんやな。

 

 

 

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メディア表現基礎

モチーフワークにつづいてメディア表現基礎が始まります。これが本当にキツかった。展覧会エンジニアの金築浩史さんと西野隆史さんに展覧会におけるプロジェクターの設置の方法を教えていただき、その後にプロジェクターを用いた作品をグループに分かれて制作するという授業です。この授業の1番キツイところ、それは「時間」、そう時間。「プランニング→プロトタイプ作成→作品制作→展示」をわずか4日間で行わなければなりません。時間もないし、プロトは静止画でいいだろ、と甘えたら金築さんに「こんなのプロトタイプじゃない。完成図が見えない。」と厳しく怒られました。僕のチームは僕発案のコンセプトで作品を作っていて、発案者としての「意地」もあったので、その日の夜に完徹して作品を作りました。正直なところ、最後まで授業の意図はイマイチわからなかった(プロジェクターの設置方法や展覧会の設営方法を学ぶ授業で、ここまで作品の新規性や作品としての質を計られる必要があったのか)ですが、作品制作の「根性」の一端を垣間見ることができました。作った作品を一応紹介します。

  

ーこえて (beyond -) 

2018年

Installation | Projectors, Unity

現実か、仮想か。

プロジェクターを用いて、映像の枠の中にある存在を、現実の世界で知覚することを試みた。球は影と音となって画面から飛び出す。私たちは違和感を感じつつも、そこに存在しない球の「存在感」を次第に感じ始める。映像と現実が混ざりあった世界のリアリティとはなんなのか。現実と仮想の領域を行き来しながら、両者の境界を模索することに本作の目的がある。

 

  @Listening

夢の中で

夢の中で

  • provided courtesy of iTunes

 Corneliusの『夢の中で』という曲です。MVがとてもおもしろくて、アニメーションなんですけど、独特の”浮遊感”を感じます。アニメーションなのにフレームレートが高いってのはコンピューターを用いたアニメの特徴なのかなと思いますが、これが作品の浮遊感に影響しているような気がするんだよな…もう少しリサーチしてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横浜国立大学を卒業したよという話

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タイトルの通りです。無事、横浜国立大学を卒業しました。4年間、この大学に通いました。いいところ、わるいところがたくさんある大学でした。僕視点の横浜国大は次のとおりです。横国志望の受験生の目に止まればいいなと思います。

 

課程について

僕は教育人間科学部 人間文化課程という学科に属してました。学内・学外から「何をやってるかわからない」とよく言われましたが、公式には「『人間』と『人間の生み出したもの』について探究していこうとする課程」らしいです。よくわからないですね。教員の先生は「絵画・文学・音楽・アニメ・ジェンダー」など文化にまつわる研究をされてる方々で個性の強い先生が多かったなぁという印象。基本的になんでもできる学科だったので僕自身は満足していましたが、一言でいえば「広く浅く」研究できる学科だと思うので、入学前から明確な研究領野が決まっている人には「物足りない」学科だったのかもしれません。僕は研究対象が最初から最後まであやふやだったので、この課程には満足してます。「いろいろなこと」を知りました。「いろいろなこと」を考えました。

人間文化課程は昨年から学生の新規募集を停止して、新しく「都市科学部 都市共生学科」になりました。文化を都市と関連付けて、研究していくスタンスみたいですけど、教員の先生が変わったわけではないので、「たぶん」人間文化課程と同じようなことをやるんじゃないかなぁと思ってます。現代はテクノロジー・ネットワークが「ある程度」発達して、今後のITサービスは人間の時々・個々の欲求を満たす、「単機能」なサービスから人間の行動そのものをデザインする「複合的」サービスに移行すると思います。身体の細胞が集まって組織になり、そして器官になるような感覚です。そのような中で、幾多の人間の行動が集積して形成される「都市」について考えることは非常に意義のあるものだと思います。長続きしてほしいです。(でも考えるだけじゃダメで、アクションをしていかなきゃダメなんだよと人間文化課程にいて思いました)

 

 

大学環境について

立地

素直に言わせてもらいますが、不満しかありません。まず立地についてですが、パンフレットやウェブページでは巧妙な言い方をされていますが、「アクセスがとてつもなく悪い」です。大学の近くに駅はありませんでした。最寄りとされる駅からは歩いて20分かかるし、もう1つの最寄りから登校する場合には信じられないぐらいの坂を登らなければなりません。2019年から「羽沢国大前」という駅が新設されて、相鉄・JRが乗り入れるみたいですが、正直言ってこの駅も大学からそれほど近くはありません。総じて横浜国立大学はアクセスが悪いです。ええ。それはとても。

インフラ

学内パソコンが全くもって駄目でした。何が駄目かって、起動に20分弱かかります。起動するたびにサーバーからOSと各種アプリケーションをダウンロードするのでそれが終わるまでなにもできないわけです。問い合わせたところ、7分で起動できるはずですという答えが返ってきましたが、そんな時間で起動したことはありませんでした。また調べ物のために過去の新聞記事を検索することがよくありましたが、そのデータベースの同時アクセス数の上限はわずか「2アカウント」でした。横浜国立大学は学生数が8000人弱いるらしいですけど、このうち新聞のデータベースにアクセスできるのは2人だけでした。学期末になると基本的に混んでいて使えないので、深夜にひっそりと調べ物をしなければなりませんでした。まったくもってどうなってんだ。

 

vs 学務

これは完全な「悪口」になるので、コメントを控えさせていただきますが、一言だけ。「横浜国立大学の(少なくとも教育学部の)学務は『優しく』ありません。」

 

卒業した後は

IAMASに行きます。IAMASで僕がなにをやるのかはまた後々。たくさん苦しみます。

 

 

 @Listening

処女航海

処女航海

  • provided courtesy of iTunes

 アメリカ出身のジャズピアニスト、ハービー・ハンコックの《処女航海》です。この曲はアルバム『Maiden Voyage』の一曲目として収録されています。『Maiden Voyage』はアルバム全体が1つの物語であるコンセプト・アルバムとなっていて、その中でもこの《処女航海》は”夜が明ける頃、新しい船で旅に出る。新たな出会いへの期待はあるものの、航海への不安も感じる。”といったようなイメージとして機能していると思います。

 

 

 

 

 

 

ブログをはじめる。

誰が他人のブログなんて読むんだとおもって今までやってきませんでしたが、ツイッターで思ったことを断片的に書くよりも、まとまった文字数で考えを言葉ノカタチで発露させたほうが思考力が深まると思ってブログを始めることにしました。いつまで続くのかわかりませんが、できるだけ続けたいです。

僕は2014年から横浜国立大学に通っていました。今年の4月からはイアマスこと情報科学芸術大学院大学に進学する予定です。卒業できれ「ば」の話ですけど。

大学のあれこれについてはまた後日、「悪意多め」で書きたいと思います。とりあえず、初めてのブログポストでした。

 

 

ん。なんかこれで終わるのも味気ないから、毎回、僕のお気に入りの曲を紹介することにしよう。はてなブログは基本的になんでも共有できる。すごい。Evernoteもこんぐらい他のサービスと連携できればいいのに。

 

Fantasic Show

Fantasic Show

  • Yogee New Waves
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 僕の大のお気に入り、Yogee New Wavesの『Fantasic Show』という曲。ヨギーのどれが好きかと言われたら、声を大にして「ぜんぶ」と叫びたいぐらい彼らの曲が好きなんだけど、この『Fantasic Show』という曲はなかでも思い入れのある曲で、3年前にRSRに行って、初めてYogee New Wavesを生で聞いたのがこの曲だった。今でもこの曲を聞くとあの日の夜を思い出す。「僕らはいつでもit's alright! Rock'n Roll Fantasic Show!」